子宮筋腫とはどんな病気か
ABOUT子宮筋腫は、子宮の壁にこぶ(筋腫核)ができる良性の腫瘍です。がんとは異なりますが、できる場所や大きさによって症状のあらわれ方が変わります。小さなものは無症状のまま経過することも多く、健診の超音波検査などで偶然みつかることも珍しくありません。
筋腫が大きくなったり数が増えたりすると、月経や周囲の臓器に影響が出ることがあります。あらわれ方には個人差があり、「筋腫がある=すぐ治療」とは限りません。まずは状態を確かめることが大切です。
子宮筋腫でみられる主な症状・気づき方
子宮筋腫では、次のような症状がみられることがあります。あてはまるものが続く場合は、受診を考える目安になります。
- 過多月経(月経量が多い)と、それに伴う貧血
- 立ちくらみ・動悸・強い疲れ(貧血によるもの)
- 下腹部の圧迫感や、お腹の張り・しこりを感じる
- 膀胱が圧迫されることによる頻尿
- 腸が圧迫されることによる便秘
「ナプキンが短時間でいっぱいになる」「血のかたまりが増えた」といった月経の変化も気づきのサインです。健診で指摘された場合は、症状がなくてもご相談ください。
子宮筋腫の種類・できる場所や大きさの影響
子宮筋腫は、できる場所によって症状の出やすさが変わります。一般に、子宮の内側(内膜側)に近い筋腫は小さくても過多月経を起こしやすく、外側にできる筋腫は大きくなるまで気づかれにくい傾向があるとされています。
できる場所によって、次のように分けられます。
- 漿膜下筋腫子宮の外側に向かって育つタイプ。内腔を圧迫しにくいため、大きくなるまで気づかれにくい傾向があります
- 粘膜下筋腫子宮の内側(内膜側)に張り出すタイプ。小さくても過多月経や不正出血、貧血につながりやすいとされています
- 筋腫分娩粘膜下筋腫が茎を持ち、子宮口から膣内へ出てきた状態。出血や痛みを伴うことがあり、早めの受診が必要です
- 筋層内筋腫子宮の筋肉の中にできる、もっとも多いタイプ。大きさや位置により月経量や月経痛への影響が変わります
どこにどのくらいの大きさの筋腫があるかで、経過観察でよいか治療を検討するかが変わります。まずは検査で状態を確認していきます。
子宮筋腫の検査
EXAMINATION子宮筋腫が疑われるときは、症状のあらわれ方をうかがったうえで、次のような検査を必要に応じて行います。
- 腟から調べる超音波(エコー)検査:筋腫の位置・大きさ・数を確認します
- 血液検査:過多月経に伴う貧血の程度を確認します
- 内診:子宮や卵巣の状態、圧痛の有無をみます
子宮筋腫は経腟超音波検査で比較的簡単に調べられます。内診や腟からの検査に抵抗がある方は、遠慮なくお申し出ください。進め方をご説明しながら進めます。
子宮筋腫の治療の選択肢
TREATMENT治療が必要かどうかは、症状の強さと筋腫の状態によって変わります。
経過観察では、症状が軽く筋腫も小さい場合に、定期的な超音波検査で大きさや症状の変化を見守ります。急いで治療しなくてよいことも多くあります。
薬物療法では、月経量を抑えたり筋腫による症状をやわらげたりする目的で、低用量ピルや、女性ホルモンの分泌を抑えるお薬(GnRHアンタゴニスト製剤)などを用います。貧血がある場合は鉄剤を併せて使うこともあります。当院はこうした薬物療法に幅広く対応しています。低用量ピルは血液が固まりやすくなること(血栓症)に、GnRHアンタゴニスト製剤ではほてりなど更年期に似た症状に注意が必要です。効果や副作用の感じ方には個人差があるため、体質・既往・ご希望をうかがったうえで適した方法を検討します。
手術は、薬でコントロールが難しい場合や、筋腫が大きい・急に大きくなる場合の選択肢です。筋腫の部分だけを取り除く方法(妊娠する力を残せますが再発の可能性があります)と、子宮を摘出する方法(再発のない根治的な方法)があります。手術が必要と考えられるときの対応や医療機関との連携については、診察のうえでご案内します。
費用や保険適用の有無は、治療内容や目的によって異なります。詳しくは診察時にご案内しますので、お尋ねください。
CONSULTATION
子宮筋腫で受診を検討する目安
過多月経やそれに伴う貧血、筋腫による下腹部の圧迫感・頻尿など、症状が強く生活に支障がある場合はご相談ください。大きな筋腫や短期間で急に大きくなるものは、詳しく調べたほうがよいことがあります。健診で子宮筋腫を指摘された方も、症状の有無にかかわらず、我慢せず受診をおすすめします。
当院での受診の流れ
FLOWご予約のうえご来院いただき、問診・診察で月経の状況や症状をうかがいます。腟からの超音波検査などで筋腫の状態を確認し、必要に応じて血液検査も行います。結果をご説明したうえで、経過観察・薬物療法・手術のうちから、症状やご希望に合った方針をご相談します。治療開始後も、変化を確認しながら定期的にフォローします。